きっと終幕は大団円—千本桜の世界展finaleレポート

イベント公式サイト:https://www.jusyoin.com/senbonzakura.html

*特別に取材、撮影許可をいただいております。



京都旅行のメインイベントは超歌舞伎だけではなく、こちら千本桜の世界展もずっと気になっていたイベントです。


9月15日京都に入って細見美術館の展示を見てから、妙心寺に来ましたが、早速妙心寺で道を迷ってしまい、北門から南門まで歩いて壽聖院がどこにあるのかがわからず、仕方なくTwitterを開いて検索したら「北門の方にあるじゃん!」と、バタバタしてようやく会場にたどり着きました。

壽聖院公式ツイートにある「3割ぐらいの確率で迷子が出ます」とのことですが、まさにその三割にハマった人間です。ちゃんと地図と案内を確認してからいくのが本当に大事ですね。



日本人ではないので、日本の有名なお寺とかあまり詳しくはなく、Wikipediaで調べてたら台湾嘉義県の新港奉天宮と約90年前から交流があるのを後々になって知り、しかも院内規模の広さに、ただただ圧倒されました。こんな場所でミクさんのイベントなんてちょっと色んな意味で想像できませんでした。

場所も場所なので、恐る恐る壽聖院に入ってキョロキョロしたら、西田住職が親しい口調で出迎えしてくれて、展示場に入る前の紹介も詳しく、はじめてきた私にもわかりやすく説明していただいて、やっと緊張感をほぐすことができました。



壽聖院の入口から受付までの花びらランタンもすごく綺麗でした。雨の可能性があるので、毎日配置図の通りに設置して、当日イベント閉場後また全部撤収しないといけないと西田住職がおっしゃいました。そのために学生さんにもボランティアで手伝ってもらって、中にはボカロが大好きな方もたくさんいらっしゃるとのことです。現地にいるスタッフは数人しかいませんでしたが、どなたでも対応が優しくて丁寧で、温かい人柄を実感しております。



そして、踏み込んで行った千本桜の世界。小説版を読んだこともないにわかファンである私は果たしてここにきていいのかと不安を感じた時もありましたが、早速目に広がった素敵なイラストと照明、そして展示品の配置に魅了されました。写真を撮る暇もないほど目に入る情報量が多く、そして何よりお寺特有の匂い、静寂感、高尚さといいバランスで混ざり合って、素敵な異世界がまさに自分がその中にいるような不思議な感覚に浸ることができました。




どの展示品の配置もちゃんと計算されており、光の表現を上手に使ったところもいくつかございました。特に公式ツイートにも触れたKAITOのイラスト展示、ガラスの映り込みを生かし、KAITOがもう一人のKAITOを眺めているように見えます。説明によりますと、「彼岸と此岸」というテーマだったらしく、このアイデアを考えた方、本当に天才だなと思いました。



そしてこちらの展示は二階もございまして、階段を登っていくと目に入る断頭台のイラストがあり、まさに今登っているこの階段と繋がっているように感じました。二階にもランタンがございましたが、こちらは紅葉のランタンとなっております。外にあるのは桜なのに、どうしてここだけが紅葉なのかをスタッフに聞いてみましたが、こちらはルカさんの袖にある紅葉をモチーフしたランタンとのことでした。その部屋はルカさんのイラストも数点展示されており、まさにルカさんのお部屋でした。各部屋の展示もそれぞれの物語があり、小説を読むとより楽しめるとのことでしたので、小説をこれから読んでみようと強い意志を決めました。





最後の物販エリアも新規六人イラストの展示がございまして、商品化の要望が多かったとスタッフがおっしゃっておりました。商品ラインナップには嵐電と京都バスのコラボ記念乗車券がございまして、壽聖院とのコラボトートバッグも人気商品だと聞いております。私が行った時にはすでに売り切れとなった商品が多く、私も知らないうちにたくさん買っちゃいました。


ここにきて、千本桜の曲しか知らなかった私でも十分楽しめました。何より嬉しく感じているのは、来場者の客層です。以前からずっとファンの方も、一般の方も、若い子たちも、年上の方も、そして親子連れのお客様が多く来場しており、本当に幅広い客層だとこの目で確かめることができました。十年前ミクさんと出会った頃とは全然違って、千本桜もボカロ文化もこうして普通に皆様の生活に溶け込んで、日常生活の一部になったと実感しております。自分より若い子たちが楽しそうな顔でイラストと一緒にツーショットを撮るシーンを見て、本当に素敵な世界だなと思いましたし、まだまだボカロ界隈はいけると強く実感したイベントでした。


今年もミクさんと出会って十年目の年となり、このイベントはそのお祝いのために来たと言っても過言ではありません。それ以上に収穫があって、全て見終わって、ただただ主催者に感謝の気持ちが胸にいっぱいでした。こんな素敵な世界を作ってくださって、本当にありがとうございました。


千本桜の世界展は今回で最後だと聞いております。もちろんこれで終わりなんだという寂しさがあるものの、桜が咲いて、満開して、そして散っていく過程と同じく、期限があって、終わりがあるからこそ、美しさがある。きっとこの先にもこの素敵な展示が来場者の記憶に残りますし、千本桜も今後皆様の記憶に深く刻まれる一曲であり続けるでしょう。



「きっと終幕は大団円、拍手の合間に」


思わず閉場後に会場に向かって拍手とともに口ずさんだこの歌詞は、ここでようやく意味がわかった気がします。

この素敵な展示が台湾で見られるようにという願いを会場に残して、満足感と素敵な記憶を持ち帰りました。



ここまで読んでいただき誠にありがとうございました。

またどこかのミライでお会いしましょう。未来群像のえこでした。


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